東京田舎時間Vol.1

鮟鱇&こうばこかに&牡蠣&干し柿&夢香姫&漬物&米&News23

中山セイキです。

12月23日金曜日、天皇誕生日に田舎時間石川県版でお世話になっている渚水産の北川さん、穴水町役場の新田さんを東京南青山の中山が居候している事務所の屋上にお迎えし、河端さんの牡蠣も送ってもらって、鮟鱇鍋&牡蠣炭火焼パーティを開催致しました。

また、TBSのニュース番組「News23」の取材が入るということで山形版でお世話になっている井上政行さんにご手配頂き、北澤正樹さんのあきたこまちと、漆山さんの夢香姫、お漬物を送って頂きました。

参加者はなんと52名、スタッフ20名、合計72名。かつてない大規模な会となり、かかわった人々がみな「良かった。楽しかった。おいしかった」という会はそんなにないのではないかと思うくらい大成功でした。(もちろん反省すべき点は多々ありますが)

そもそも、田舎時間の活動を続けていて、受け入れ頂いている方々から、東京時間をやって欲しいというお話がありました。でも、田舎からみた東京ってなんと魅力がないのだろうとずっと思っていたんです。オフィスにご招待しても、機械と人がごちゃごちゃしているだけですし六本木ヒルズとかお台場をご案内するとしても、はとバスには適いません。

僕らにしかできないこと。
それは、山形なり、石川なり、我々がお世話になっているものづくりの人々を、こだわりの食材を通して、我々の知人に紹介すること、興味をもつ方々にご披露することなのではないかと。そこに渚水産の北川さんから「鮟鱇鍋を東京の人に披露したい」というお話を頂戴して、今回の会実現となったわけです。

準備の段階で、数多くの方々からご協力、ご意見を頂戴しました。またテレビ取材が入ることもあり、田舎時間というコンセプトを一貫しなければなりません。使い捨ての紙皿、割り箸は使わず、食器を用意し、参加者にもmyコップ&myおはしを持参してもらう。ペットボトルは使わず、お茶葉からお茶を入れたり、そば湯焼酎にする。北川さんも「俺の集大成やと思って食材を集める!」という力強いお言葉も心の大きな支えとなりました。

今回大雪で漁師さんが漁に出ていない中、北川さんたちは食材をかき集めさらに、大雪で渋滞の中、23時間車を飛ばして来て下さいました。今朝方、夜通し時速6,7キロしか進まず、このままでは今日中に東京に着けるかどうかも分からない事態でしたが、東京から交通情報を送るなどして、本当に危機一髪、間に合ったんです。ラッキーでした。

田舎と都市の交流。何かしらひとつのことを芯を貫きやり遂げる。食を通した顔のある絆。この会を終えて、田舎時間の次のステップが確信へと変わりました。

News23の取材では、筑紫哲也さんに私中山が田舎時間に魅了されていることなどをお話しました。筑紫さんもスローが大好きでご自身も農園をお持ちです。「あせることはない。じっくり、じわじわと広げていけばいい」と、ありがたいお言葉を頂戴しました。残念ながら雪の影響で鮟鱇は間に合いませんでしたが、河端さんの牡蠣と、夢香姫を筑紫さんに食べてもらい「うまい」と頷かれたとき、緊張は「やってよかった」という安堵へと変わりました。

最後に参加者全員が聞き入った北川さんから頂戴したお言葉。

「日本列島を1本の木にたとえると、僕らは根っこ、皆さんは葉っぱです。根っこが病んだら、葉っぱは枯れる。葉っぱがなければ根っこが腐る。」

田舎と都市の人々が入り混じった東京の屋上で「私たちは奉仕する」という意味で「ウィーサーブ!」と一緒に呼び掛け合う。見上げれば、いつの間にか宇宙が手に届きそうなほど近い冬の夜空。寒いはずなのに、とっても暖かい1日でした。

※この様子は、2006年1月5日のNews23で放送されることになっています。ぜひ、ご意見ご感想頂ければ幸いです。